【タロットと色彩|Vol.7】青×運命の輪~変化の中にある秩序~

変化の中にある秩序

こんにちは、タロッティストの小鳥遊です。

タロットカードのなかでも「運命の輪」は、私たちの人生がただ一直線に続くものではなく、巡るもの、変わるものだという叡智を象徴しています。

この象徴的なカードに描かれた“青”は、単なる装飾ではありません。
それは「変化の中にある秩序」や「宇宙の摂理」と私たちを結びつける精神的媒体のような存在です。

今回は、そんな「運命の輪」に込められた青の意味を深堀りしながら、このカードが示す運命と、その背後にある霊的・心理的構造を解き明かしていきましょう。

カードの図像と青の出現

「運命の輪」には、画面中央に大きな輪が描かれ、その周囲にはスフィンクスやアヌビス、蛇、さらには書物を携えた四体の聖獣が描かれています。
これらの存在はいずれも、時間や知識、霊的な問いと答えの象徴として機能しており、「運命の輪」というテーマに神秘性を付加しています。

このカードの青は、聖獣たちが浮かんでいる背景──空──において最も印象的に用いられています。
空の青は単なる装飾ではなく、カード全体に「無限」や「高次の世界との接続」をもたらす鍵となっています。
また、雲や輪の外周に散りばめられた淡い青のトーンも、時間や次元を超えた流動性を暗示する要素として機能しており、視覚的にも霊的なスケールの大きさを演出しています。

井上教子氏の解釈でも、「この青は、見えない力が働いていることを私たちに思い出させてくれる」とされ、目に見えない運命の手や宇宙的摂理の存在を想起させる色彩として重要視されています。

青は、精神性・霊性・冷静さ・高次の知性・運命を受け容れる覚悟──そうしたすべてを象徴的に映し出しており、「変化を見守る智慧」として、このカードに深い意味をもたらしているのです。

青が象徴する運命の特質

世界シンボル辞典によれば、青は「もっとも物質から遠い色」であり、「真実の媒体」であり、天・空・水晶といった透明な存在の象徴でもあります。

「運命の輪」が描く変化の本質──予測不能、でも必然、抗いがたいが決して無意味ではない──といったものは、まさに青の本質と呼応しています。

「運命の輪」の青は、以下のような霊的な意味を帯びていると考えられます:

象徴項目青に込められた意味
空と雲精神的次元、高次の秩序、見えない手による導き
書を持つ聖獣たち内的知性、神的叡智への接続
スフィンクス問いの象徴、静的知の青
回転する輪変容を受け容れる力、冷静な観察者としての在り方

青が示す運命に寄り添う姿勢

「運命の輪」のリーディングにおいて、「抗えない運命」と受け取られることも少なくありません。

たとえば、転職の是非を問うリーディングで「運命の輪」が出たとします。
これは「自分の意志で選ぶ」というより、「時期が来ている」「環境が勝手に動き出している」というような、不可避な流れを意味している場合が多いのです。

しかし、このカードにおける“青”という象徴が加わることで、単なる「変化」にとどまらない深い洞察が生まれます。
青は、私たちが変化の中でも「内面の静けさ」や「透明な精神性」を保つよう求めている色です。

変化に振り回されるのではなく、それを一歩引いた視点で見つめ、「今、何が動いているのか」「自分に何が求められているのか」を静かに観察すること。
そうした態度が求められるのが、「青」の精神性です。

占断の中でこのカードが出たとき、相談者に伝えたいのは、「状況に逆らうのではなく、風に乗る感覚で受け入れること」。
たとえば、突然の異動や出会い、予定外の出来事が起きたときにこそ、それを「運命の風」として捉え、そのなかで「今できる選択は何か?」を考えるきっかけになります。

つまり、「運命の輪」は出来事そのものを断定するカードではなく、私たちが“どう向き合うか”を問いかけてくるカードでもあるのです。
青は、そうした問いに向き合うための「理性」や「静けさ」を象徴し、運命の波に飲まれず、冷静な判断を促す色として働きます。

運命が回り始めるときこそ、私たちは青をまとうようにして、「静かに見守る理性」を取り戻すことができるのかもしれません。

しかし“青”という象徴がそこにあることで、このカードの持つ印象は大きく変わります。

青は、私たちが変化の中でも「内面の静けさ」や「透明な精神性」を保つよう求めているのです。

運命が回り始めるときこそ、私たちは青をまとうようにして、「静かに見守る理性」を取り戻すことができるのかもしれません。

「青」というテーマから見える、他のカードとの連携

女教皇」や「」、「節制」など、青が印象的なカードは精神性・霊性・内的秩序を表す傾向にあります。

「運命の輪」は、それらのカードと異なり、もっと動的です。
しかし、変化のただなかにあっても、“透明な精神”でいることの大切さを、青が教えてくれます。

青のカード群の中にあって、「運命の輪」は「霊性が運命の歯車を回す瞬間」を捉えたカードなのかもしれません。

青の風に運ばれるように

目の前の現実がどれだけ揺らいでも、その背後にはいつも、静かで、澄みわたった「青の風」が吹いています。

「運命の輪」はその風を感じるためのカードであり、青はその風が“精神と運命を結ぶ色”であることを教えてくれるのです。

変化を恐れず、青の象徴する静けさと透明感を胸に、人生の輪に身を委ねてみませんか?

記事)小鳥遊

参考文献
『世界シンボル辞典』ハンス・ビーダーマン著
『タロット象徴辞典』井上教子著

『タロットの歴史』井上教子著
『シークレット・オブ・ザ・タロット』マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン著 他    

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