【タロットと色彩|Vol.10】青×世界─ 統合された魂が見る風景 ─

完成と再誕の色、青

タロット大アルカナの最後を飾る「世界」のカードは、物語の完結、魂の統合、そして新たな旅立ちを象徴します。
その図像の中で、ひときわ静かに、しかし深く輝く「青」は、このカードの霊的な成熟と宇宙との調和を際立たせています。

今回は、「世界」における青の象徴性に注目し、人生の円環が閉じ、新たな次元へと移行する瞬間に見える青の風景を読み解いていきましょう。

カードの図像と青の象徴

ウェイト版「世界」では、中央に舞う裸の人物がリースに囲まれ、四隅にはスフィンクス、鷲、獅子、牡牛(四つの聖獣)が配されています。
背景は淡い青──空、宇宙、霊的空間とも取れる透明な青です。

この青は、完成された魂の静けさと、新たな始まりの舞台を示します。
リースに囲まれた輪は「宇宙卵」にも喩えられ、その外側に広がる青は、物語の次元を超えた空なる次元を象徴しているのです。

人物が纏うスカーフの一部にも青が使われており、それは「霊的な衣」、あるいは「魂の成熟」を表すヴェールとも言えるでしょう。

青の世界に見る霊的統合

「世界」における青は、以下のような深層象徴を帯びています:

象徴箇所青に込められた意味
背景の空統合の達成後に広がる新たな宇宙、静けさと透明性
スカーフの青自己実現を纏う霊的な衣、成熟と純化
リースの外の空間境界を越えた霊的次元、輪廻を超えた存在の在り方

この青は、「全てを経験し、全てを理解した存在」が最後に辿り着く静謐の青です。 それは達成の色であると同時に、境界を越えていく次なる旅の背景でもあるのです。

青が示す「世界」の占断ヒント

「世界」がリーディングに現れるとき、それは物事が完成し、一区切りを迎えたことを示します。
しかし、青が象徴するように、それは「終わり」ではなく「移行」、霊的成熟を経て、次のステージへの通過儀礼を意味するのです。

たとえば「長く続けてきた人間関係」がこのカードと共に青の象意で現れたとき、それは別れではなく、関係性が「新たな形へと移る時期」であることを示します。
また「仕事の達成感」を感じる時期にこのカードが出れば、いったん自分の役割を果たした証として、次の成長段階に入る必要性を示すものとなるでしょう。

さらに、過去に苦しんだテーマ──たとえば「親との関係性」や「自分のアイデンティティへの葛藤」などに対して、このカードが出た場合、それは和解や統合の可能性を伝えるシグナルです。
もう自分を責め続けなくてもいい、という許しのプロセスを経て、青はあなたを次なるステージへと導いてくれるでしょう。

あるいは、「旅の終わりと新たな門出」が重なるタイミング──たとえば卒業や引越し、離婚後の再スタートなどにも、このカードはよく現れます。
そのとき青は、感情的な乱れを鎮め、静かな決意を心に宿す色として働くのです。

青は「静かなる達成の色」。 それは、外の評価ではなく、内なる声が「完了した」と認める瞬間に訪れます。

他の青のカードとの霊的連環

「世界」は、青を象徴する他のカード──「女教皇」「」「節制」「審判」──の霊的な旅の最終地点と考えることもできます。

  • 女教皇で『霊的沈黙』に触れ、
  • 星で『希望の源泉』を見つけ、
  • 節制で『内的調和』を学び、
  • 審判で『天の声に応答』した者が、

ようやくたどり着くのが、「世界」という統合の次元です。

青はこの霊的プロセス全体に寄り添う「導きの色」なのです。

静けさの向こうに、新たな光景がある

青い「世界」は、こう語りかけてくれます──

「終わりを恐れないで。すべては統合され、あなたは次の旅を始められる」

完成された魂の背景に広がる青は、無限の空間であり、魂の自由でもあります。

私たち一人ひとりが、いつかこの「青の世界」に立つ日が来ることを信じて。
そこからまた新たな物語が始まるのです。

記事)小鳥遊

参考文献
『世界シンボル辞典』ハンス・ビーダーマン著
『タロット象徴辞典』井上教子著

『タロットの歴史』井上教子著
『シークレット・オブ・ザ・タロット』マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン著 他    

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