【タロットと色彩|Vol.9】青×太陽─ 命が輝きを取り戻すとき ─

まばゆい光の中の「青」
タロット大アルカナ第19番「太陽」は、喜び、解放、生命力の賛歌として知られています。
けれど、燃え立つ光と熱の象徴と思われがちなこのカードに、実は「青」という静けさの色がさりげなく差し込まれていることに気づいたことはあるでしょうか。
今回は、「太陽」カードに隠された「青」の象徴性を掘り下げ、無垢なる命がまばゆい光を受け取る瞬間──魂が生きる喜びを思い出すそのとき──を見つめていきます。
図像に見る「太陽の青」──希望と保護の色
ウェイト版『太陽』では、明るい光の下、裸の子供が白馬にまたがり、緋色の旗を掲げています。
背景には、向日葵が咲き誇り、石垣の向こうには青い空が広がっています。
この「青」は、強烈な日差しの下にある静かな祝福の象徴。
命の源たる太陽の光を受けてなお、揺るぎない安らぎと保護を感じさせる青は、このカードが「ただ明るい」だけではないことを示しています。
太陽に見る「青」の象徴箇所とその意味:
青が現れる箇所 | 青に込められた象徴性 |
---|---|
背景の青空 | 無垢な命が祝福される静かな舞台、神聖な庇護 |
石垣の影の青み | 境界と保護、安全な空間の保証 |
太陽の輪郭周辺の淡青 | 過剰な熱から守る穏やかな光、叡智の恩寵 |
ここでの青は、「照らされる側にとっての光のやさしさ」を象徴します。
灼熱の太陽は、子供という無垢の象徴をいたわるように、そのまなざしを優しい光として変容させているのです。
青の象意から読み解く「太陽」の占断ヒント
「太陽」が出るとき、よく「成功」「祝福」「日の目をみる」と解釈されます。 しかし、青を象徴とした視点から見れば、それは「魂の安心」「守られた場所でこそ開花する力」なのです。
例①:子供のような無垢さが報われる
ある相談者が、自分の素直さを貫いたことで周囲から評価を得たタイミングでこのカードが出ました。
「青」が示すのは、計算や戦略でなく、真っ直ぐな姿勢の中にこそ信頼が宿るというメッセージ。
例②:安心できる関係性で自己肯定が育つ
恋愛のリーディングで、長らく孤独を抱えてきた人に「太陽」が出たとき── その背景の青が語っていたのは、「ようやく安心して心を開ける相手に出会える」ということ。
太陽が照らすのは相手ではなく、相談者の内なる存在そのものの価値でした。
例③:安全な環境が創造性を花開かせる
新しい職場への転職の是非を問うリーディングで、「太陽」が出た。 そこには「これまでのストレス環境ではなく、守られた空間で自己表現が活きる」未来が示されていた。 青は「伸び伸びと育つための温室」のような象意でもあります。
他の「青」のカードとの連関
「太陽」は、「星」「審判」など他の青を象徴とするカードと並ぶとき、その意味に霊的な祝福や守護された成長のニュアンスが加わります。
たとえば「女教皇」とのペアは、「内的成熟と開放の調和」、 「節制」との組み合わせでは、「天の意志に導かれた行動の自由」とも読み解けるでしょう。
青は霊性と理性、保護と直感を繋ぐ導きの色、「太陽」においては、燃え上がる喜びの中にある安心の核として、私たちの魂に寄り添ってくれるのです。
その光は、魂を祝福する
「太陽」というカードは、ただ眩しいのではありません。 その光の奥には、生きていていい、そのままで愛されている、という祝福が息づいています。
そして「青」は、その祝福を穏やかに包み込み、私たちの心に信じて進んでいい、という確信をもたらしてくれる色。
大人になっても、自分のなかにいる子供に太陽を、その光が優しく青く輝くとき、私たちはきっと「ほんとうの意味で、生きていてよかった」と思えるのです。
記事)小鳥遊
参考文献
『世界シンボル辞典』ハンス・ビーダーマン著
『タロット象徴辞典』井上教子著
『タロットの歴史』井上教子著
『シークレット・オブ・ザ・タロット』マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン著 他
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