【心が整う運のお話|Vol.3】感情の波に、運は宿る

落ち込むことも、運の一部です
「無理に元気にならなくていいのです」
そう言われたとき、ふっと涙が出たことがありました。
私たちは、気づかぬうちに「早く立ち直らなきゃ」「元気な自分でいなきゃ」と、心に無理をさせてしまうことがあります。
でも、落ち込むというのは、悪いことではありません。
むしろ、感情が正直に流れている証拠。
心が静かに“浄化”されていく過程でもあるのです。
どんよりと曇った気持ち、うまく笑えない日、理由もなく涙が出るような夜。
そんな時間が続くと、「運が落ちているのでは?」と不安になるかもしれません。
でも本当は――
その“底”に沈んでいる時間こそが、あなたの中で、新しい運を育てる準備期間なのです。
水の底に沈んだ種が、土の重さと冷たさを知ってから芽を出すように、人の心もまた、悲しみを経験したあとにゆっくりと浮かぶ力を蓄えていきます。
感情には、善し悪しはありません。
明るい気持ちも、暗い気持ちも、どちらも“あなた”という存在を豊かにしてくれる大事な一部です。
だからこそ、落ち込むことを「悪いこと」と決めつけず、その時間さえも“運を育てる時間”として受けとめてみてください。
ほんとうの意味で運が整っていくのは、“感情をコントロールする”のではなく、“感情と仲良くなる”ときです。
悲しいなら、悲しんでいい。
苦しいなら、「苦しい」と言っていい。
その素直さが、運を歪めず、まっすぐに育ててくれるのです。
落ち込むことを許すことで、心にスペースが生まれます。
そのスペースに、あたたかい光や言葉が、ふいに入ってくる日が来ます。
無理に浮かばなくていい。
深く沈んだら、自然と浮かぶ日がやってきます。
それを信じられる心が、あなたの運を、静かに、そして確かに、整えていくのです。
誰にも言えないつらさを抱えているときほど、「こんな自分ではダメだ」と、自分を責めてしまいがちです。
けれど、そんなふうに弱さを感じているときこそ、心の奥には、ちゃんと“回復する力”が眠っているのです。
落ち込む時間は、運が止まっているのではなく、目に見えないところで“整え直している”時間。
バラバラになったパズルのピースが、ゆっくりと元の場所に戻っていくような、静かな再構築のプロセスです。
そして、不思議なことに――
そんな時間を越えたあとに出会う「ひとこと」や「景色」は、なぜか、胸にすっと沁みるものがあります。
それは、あなたが深く沈んだからこそ、受け取れるようになった光かもしれません。
泣いて、休んで、立ち止まってもいい。
そのすべてが、運の流れの一部なのだと思えたとき、私たちはまた、ほんの少し前を向けるのです。
記事)小鳥遊
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