ネガティブを力に変える| 出来事を前向きにとらえる思考法

「同じ出来事」が「正反対」に見える理由
同じ出来事を体験しても、それを「ついてない」と感じる人と、「いい学びになった」ととらえる人がいる。
一体、その違いはどこにあるのだろうか。
人生の中には、予想外の出来事や思いがけない不運が起こることもある。
けれど、起こった出来事そのものが人生を決定づけるのではない。
「どう解釈するか」が、心のあり方と未来の方向性を左右するのだ。
私たちは出来事そのものではなく、意味づけに反応している
人は育った環境や経験によって、物事を受け止める「フィルター」を持っている。
そのため、まったく同じ出来事であっても、正反対の解釈が生まれるのは自然なことだ。
心理学ではこれを「認知バイアス」と呼ぶ。
ある出来事に「悪いことだ」というレッテルを貼ってしまうと、脳はその判断を裏づける証拠ばかりを集めようとする。
「やっぱり自分はダメだ」
「だから失敗するんだ」
そんな思考パターンにとらわれてしまうと、本来見えていたはずのポジティブな可能性に気づけなくなる。
つまり、出来事に「どうラベルを貼るか」で、その後の現実の見え方までもが変わってしまうのである。
「解釈のクセ」に気づき、意識的に選びなおす
では、どうすれば「ネガティブに反応するクセ」から抜け出せるのか。
ポイントは、意識的に「出来事の別の側面を探すこと」だ。
以下の3ステップで、日常の小さな出来事から練習してみよう。
ステップ1|判断を一時保留する
起きた出来事にすぐ「悪いこと」と決めつけず、「これは何かのサインかも」と一度立ち止まる。
ステップ2|ポジティブな解釈をひとつ探す
「これによって学べたことは?」「助かったことは?」「誰かの優しさに気づけた?」など、少しでも前向きな視点を探る。
ステップ3|「この経験があって良かった」と言ってみる
声に出すことで、脳がその前提に基づいた新しい意味づけを始めるようになる。
無理にポジティブになろうとしなくてもいい。
ほんの少し視点をずらすだけで、心の負担はぐっと軽くなる。
現実はスクリーン、私たちはその映写機
たとえば、仕事でミスをして上司に叱られたとする。
「なんて自分はダメなんだ」と自責にとらわれれば、それは苦い記憶として残るだろう。
けれど、「失敗のうちに気づけて良かった」「叱ってくれたということは、まだ期待されている証だ」ととらえたならどうだろう。
同じ出来事が、「成長の通過点」に変わる。
これは、レンズの角度を変えることで、風景がまったく違って見えるのと似ている。
見方を変えれば、人生の景色は自分の手で塗り替えられるのだ。
「どう見るか」が人生を変える鍵になる
出来事の意味は、自分の内側から生まれる。
ラベルをどう貼るかで、未来の自分が変わっていく。
「起こってしまったこと」は変えられなくても、
「その出来事から何を得るか」は、いつだって自分の手の中にある。
あなたは、今日起こった出来事にどんな意味を見出しますか?
一歩、視点をずらしてみるだけで、心はずっと自由になれます。
この思考法をまとめるキーワード群
- 出来事の意味は自分で決める
- レッテルを貼る前に立ち止まる
- 解釈には選択肢がある
- ポジティブな根拠を探す習慣
- 経験からギフトを見つける
- 思考のフィルターを意識する
- 自分に優しい視点を持つ
記事)小鳥遊
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