【タロットと色彩|Vol.11】黄色×魔術師 ─ 創造の光を手にするとき ─

黄色が導く、はじまりの智
タロットの1番目の大アルカナ「魔術師」は、無限の可能性を現実へと変える存在。彼の周囲に輝く黄色は、ただの背景ではありません。
そこには、思考・創造・表現という知性の光が宿っています。
今回は、魔術師における「黄色」の象徴性に注目し、「知る」「操る」「始める」力がどのように現れているのかを解き明かします。
2. 図像のなかの黄色:光の象徴と意志の道具
ウェイト=スミス版に描かれる魔術師は、背景全体が黄色に染まっています。
これは彼の内なる閃きが、すでに現実世界へと拡張していることを象徴しています。
図像の要素 | 黄色の象徴性 |
---|---|
背景の黄色 | 理性・創造性・活性化の場 |
魔術師の上着内側(白)と外側(赤)の対比 | 内なる純粋性と外向きの情熱 |
台上に置かれた四元素の道具 | 火・地・風・水の支配の起点(知性による統合) |
彼の頭上に浮かぶインフィニティ(∞)の記号は、潜在意識と顕在意識をつなぐ無限の可能性を示し、黄色の背景と相まって、「今ここにいる自分が、世界に働きかける存在である」ことを静かに宣言しているようです。
3. 黄色が導く「創造の瞬間」
魔術師の黄色は、アイディアがひらめき、言葉になり、行動として現れるその変換の瞬間を表していると思います。
- 「何かを始めよう」という意志が形になるタイミング
- 言葉・企画・交渉・発信において、力が宿るとき
- インスピレーションが降りてきた直後の活性状態
これは、計画を練る段階ではなく、「もう一歩、前に出る」段階。黄色はその前進の背中を押す光であり、自分自身が“媒介者”になることで、物事が動き出すのです。
黄色の「魔術師」をどう読むか:占断のヒント
黄色が強く印象づけられた「魔術師」は、リーディングにおいて以下のような状況を示唆します:
● 成功への最初の一歩
⇒ 新しいプロジェクトや挑戦が、まさに今始められるとき。
自分の持っている知識や道具で十分に対応できる状態です。
● 言葉の力・表現の才能
⇒ プレゼン・執筆・発信活動など、伝える力が最大限に活かされるとき。
黄色は「伝達」や「理解」の象徴でもあります。
● 自分を信じて行動する勇気
⇒ 魔術師は他人に頼るカードではありません。
黄色の光が指し示すのは、自分自身の中にある意志の強さ。
自信を持っていい時です。
逆位置や周囲に重いカードが並ぶ場合は、「準備不足」「口先だけ」「知識の未熟さ」など、まだ黄色の光がしっかり灯っていない可能性も。
知と光をつなげる者として
魔術師に宿る黄色は、私たちが「考える存在」であること、そして「始める力」を持っていることを思い出させてくれます。
その黄色い光は、理想を理論に、理論を言葉に、言葉を行動に変える知性の変容そのもの。
あなたの中にあるインスピレーション──それを今、光として世界に解き放ってみましょう。
「始まり」の魔術師は、いつだってそこに立っています。
記事)小鳥遊
参考文献
『世界シンボル辞典』ハンス・ビーダーマン著
『タロット象徴辞典』井上教子著
『タロットの歴史』井上教子著
『シークレット・オブ・ザ・タロット』マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン著 他
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