タロット『正義』カード × 古代エジプトの死後審判図(マアトの羽根)

タロット『正義』カード × 古代エジプトの死後審判図(マアトの羽根)

要素ウェイト版『正義』古代エジプトの審判図(『死者の書』)対応・比較の解説
中央の人物冷静で中立な表情の人物(女性)オシリス(裁定者)/天秤を見守るアヌビス両者とも「裁定を下す中立の存在」。性別や見た目は異なるが、象徴機能は同じ。
天秤(秤)左手に持つ、バランスを測る道具死者の心臓とマアトの羽根がかけられる「行為と真実のバランス」「魂の重さ」を測る点で共通。
右手に垂直に構えた剣(裁きの道具)見えないが、裁定の象徴はオシリスの最終宣告剣=決断・裁き。エジプトでは剣こそ描かれないが、オシリスの「最終判決」が剣にあたる。
背景紫のカーテンと石造の玉座(法的・精神的権威)冥界の審判の場。神々の出席、書記官トートが記録厳粛な空間としての構図が共通。背後に神的秩序を感じさせる。
象徴的中心公正・正義・真理(「裁く者」)真理(マアト)と心の重さ=魂の清らかさ双方において「真実」を量る=正義と救済の判定がテーマ。

『正義』カード × 古代エジプト神話の象徴照応

タロット象徴対応するエジプト神話の要素解説
天秤(Balance)マアトの羽根(真理) vs 死者の心臓魂の重さ=生前の真実性。罪と徳のバランスを示す。
剣(Sword)オシリスの最終判断/死者の運命の決定剣は「断を下す力」の象徴。死後の運命を裁定する作用。
人物の目線・態度アヌビスの冷静な計量とトートの記録感情を交えず、正確・中立に魂を計測・記録する姿勢。
玉座と構図の対称性冥界での審判場の神聖な儀式空間「儀式としての裁き」。象徴の整列・様式性が共通。
正義(Justice)そのものマアト神(真理・調和・法の人格化)タロットの正義はマアトの霊的理念の西洋的転写ともいえる。

補足的視点

  • ウェイト版『正義』は、カバラや占星術などの西洋神秘思想と融合しているが、その根底にある「魂の重さを量る」というイメージは、古代エジプトの死後観(マアトの羽根の審判)と極めてよく似た構造を持つと思われる。
  • タロットでは「人生における行動の正しさ」が裁かれ、魂の成長の次段階に進むかが問われる点も、死後に冥界に入れるかを判断されるエジプト審判と強く重なる。

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